蜂の子はどうやって採取される?

蜂の子は、蜂の幼虫やサナギです。現在蜂の子として主に食べられているのは、クロスズメバチ・オオスズメバチ・ミツバチの幼虫です。これらの蜂の子の採取方法をご紹介します。
なお、蜂は毒をもつ危険な昆虫であり、素人が巣に近づいてはいけません。

各種蜂の子の採取方法

蜂の子の採取方法を、蜂の種類別にご紹介します。

クロスズメバチの採取方法

最も一般的に食べられている蜂の子は、クロスズメバチの幼虫です。クロスズメバチの蜂の子の採取方法には、自然界にある巣をみつける方法と、巣箱で養殖する方法の2種類があります。

蜂追い(すがれ追い)

長野県では、クロスズメバチを「すがれ・すがら・すがる」などと呼び、蜂を追いかけて巣をみつけることを「蜂追い(すがれ追い)」といいます。蜂追いは、現在は大人のレジャーとして楽しまれています。

自然界の蜂の巣をみつける

蜂の巣をみつける方法には、蜂の移動経路を観察して巣の位置を予測する方法と、エサを用意して蜂を追跡する方法があります。
エサを使う場合は、カエルや魚、イカなどの肉を用意して蜂を誘い出します。綿やナイロン片などを付けた肉を用意しておき、それを蜂に持たせて巣に持ち帰る蜂を追いかけます。

山で蜂を追跡する際には転倒・転落の危険があるほか、田畑を踏み荒らす恐れもあります。そのため、蜂追いを禁止している地域もあります。

蜂の巣を採取する

クロスズメバチは地面の下に巣をつくります。巣を発見したら、煙幕などを使って蜂を気絶させ、その間に蜂の巣を掘り出します。長野県では、蜂専用の煙幕も販売されています。
蜂の巣を採取する際には、刺されないよう十分な注意が必要です。

養殖

クロスズメバチの養殖も行われています。養殖する際は、まだ小さい段階の巣や女王蜂を採取して持ち帰り、巣箱に入れて繁殖させます。
クロスズメバチの養殖は、岐阜県・長野県・愛知県などで特に盛んで、これらの地域では養殖した蜂の巣の大きさを競うコンテストが毎年行われています。

オオスズメバチは山中の巣から採取

オオスズメバチの蜂の子はとても美味とされており、通販でも購入可能です。
オオスズメバチは攻撃性が極めて高く、養殖は行われていません。オオスズメバチの蜂の子は、自然界にある巣から採取されます。

オオスズメバチの巣の捜索は、蜂の移動経路などから位置を予測する方法で行われます。また、蜂の体にリボンを結んで、そのリボンを目印に蜂を追いかける方法で巣をみつけだす人もいます。
食用にする場合は薬剤が利用できないため、巣の採取には大きな危険が伴います。

ミツバチは養蜂場のオスバチが利用される

ミツバチの幼虫も、蜂の子として利用されています。ミツバチのメスはハチミツやローヤルゼリーの採取に必要なため、蜂の子として利用されるのは専らオスの幼虫です。
ミツバチのオスは4-6月にしか生まれないため、蜂の子の採取もその季節に行われます。

ミツバチの蜂の子はスズメバチ類に比べて小さく、肉が柔らかいのが特徴です。ミツバチの蜂の子は、サプリメントの材料や佃煮などの加工品に利用されます。

素人は決して巣に近づかない

蜂の子の採取方法をご紹介しましたが、蜂は毒をもっており、素人が巣に近づくのは危険です。蜂の巣をみつけても、蜂の子を採取しようとしてはいけません。
蜂の巣の駆除は、専門の業者に依頼するか役所に相談するようにしましょう。

(参考URL)
蜂の子はどんな方法で採取するの?
http://www.colonymovie.com/topic53.html
蜂の子の採取方法
https://www.calgold.com/bio.asp